連載 競輪全史が語る 第1回
単騎は勝てるか
一発の1着はある。だが単騎は、2・3着にこそ最も来ない
リード
ラインを組まず単独で走る「単騎」は、2025年の男子で17,743出走あった。その1着率は7.4%、ライン所属勢の14.8%のおよそ半分だ。だが本当に問うべきは1着率ではない。単騎は『一発の1着』こそあるが、堅い『2・3着』にはむしろ最も来ない——この連載の初回は、その意外な事実から始めたい。
先頭は頭、番手はヒモ、単騎はどちらでもない
ライン所属を役割で割ると、姿がはっきりする。先頭は1着20.3%・2・3着27.2%、番手は1着15.5%・2・3着31.3%。3連対率(3着以内)はどちらも47.5%前後で並ぶが、中身は正反対だ。先頭は『頭で来る』、番手は『ヒモで来る』。対して単騎は1着7.4%・2・3着19.4%と、どちらの列でも最下位。『頭を取る脚』も『連に絡む堅さ』も持たない——それが単騎の輪郭である。
単騎は、3着にこそ来ない
最も反直感的なのはここだ。単騎の2・3着率19.4%は4つの立場で最低。ラインの後方で流れ込むだけに見える3番手以下(27.8%)すら下回る。3連対率でも単騎26.8%<3番手以下30.2%だ。「単騎は他ラインの番手より前を回るから3着に残りやすい」——ファンに根強いこの感覚を、17,743出走のデータははっきり否定する。単騎の1着がまれに飛び出すのは事実だが、それは『堅実さ』とは正反対の性質なのだ。
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